鳥取県を代表するブランドスイカ「大栄すいか」は、100年以上の歴史を持ち、その品質の高さから全国的に知られています。肥沃な土壌と寒暖の差が大きい気候に恵まれた北栄町を中心に栽培され、生産者の丹精込めた努力によって育まれてきました。
大玉でありながら糖度が高く、シャリ感のある食感が特徴です。近年は品質管理の徹底や商標登録、地理的表示保護制度への登録など、ブランド力の向上にも力を入れています。また、すいか・ながいも健康マラソンなどのイベントを通じて、地域の活性化にも貢献しています。
そんな大栄すいかの魅力について、歴史や特徴、栽培方法、イベントなどの観点から探っていきましょう。
- 鳥取県を代表する「大栄すいか」の歴史と特徴
- 大栄すいかの栽培と種類
- 大栄すいかを通販で購入する方法
- いますぐ購入できる通販サイトのリンク
大栄すいかの歴史と特徴
大栄すいかの起源と発展
大栄すいかの歴史は、1907年(明治40年)に東伯郡由良村(現在の北栄町)の阪本長蔵氏が4反歩(約0.4ヘクタール)の畑でスイカ栽培を始めたことに端を発します。その後、地域の農家たちがスイカ栽培に取り組み、品種の改良や栽培技術の向上に努めました。昭和に入ると、縞皮すいか新大和の導入や西瓜団地の造成など、産地としての基盤が整備されていきました。
1973年(昭和48年)には、「大栄西瓜」という統一ブランド名が誕生し、品質と生産量の両面で飛躍的な発展を遂げました。平成に入ると、1994年に「世界スイカサミットinだいえい」が開催され、2007年には販売額が過去最高の37億円を記録するなど、全国屈指のスイカ産地としての地位を不動のものとしました。
こうした先人たちの努力の積み重ねにより、大栄すいかは100年以上の歴史を持つブランドへと成長したのです。
大栄すいかの品質管理とブランド化
大栄すいかが高品質なブランドとして広く認知されるようになった背景には、生産者たちの品質管理への徹底したこだわりがあります。平成19年には内部品質を測定する糖度センサーや外観を判定する等級判別装置などが導入され、出荷されるすいかの品質が数値化・可視化されるようになりました。
その結果、糖度11度以上、重量3kg以上、腐敗や病害のない高品質なすいかが、安定的に市場に供給されるようになったのです。こうした品質の高さと安定供給力が評価され、平成20年3月には「大栄西瓜」の名称が商標登録されました。
さらに令和元年6月には、農林水産省の地理的表示(GI)保護制度に登録され、生産地と結びついた特性を持つ農産物として、知的財産の面からもブランドが保護されるようになりました。大栄すいかは、まさに生産者の長年にわたる品質へのこだわりが実を結んだ、名実ともに日本を代表するすいかのブランドだと言えるでしょう。
大栄すいかの特徴と魅力
大栄すいかの最大の特徴は、なんと言ってもその食味の良さです。平均糖度11度以上という高い甘さに加え、中心部から皮際までムラが少ないのが特徴です。また、シャリシャリとした歯ごたえと強い甘み、瑞々しい果汁など、食感も抜群です。この味の良さは、肥沃な土壌と寒暖の差が大きい気候風土に加え、熟練の農家たちの栽培技術によって支えられています。
大玉であることも大栄すいかの魅力の1つです。平均重量8~9.5kg、サイズは3L(直径23cm以上)が中心で、存在感抜群のビッグサイズが消費者の目を引きます。大玉でありながら品質が安定しているのは、1株に着果させる数を2~3個に制限するなど、手間ひまかけた栽培が行われているからです。
近年は、国内販売のみならず、海外への輸出にも力を入れており、日本が誇る農産物としてその名を世界に轟かせつつあります。古くから親しまれてきた大栄すいかですが、その魅力は時代を超えて多くの人を魅了し続けています。
大栄すいかの栽培と種類
栽培方法の工夫と特徴
大栄すいかの栽培には、様々な工夫が施されています。まず、連作障害の克服と耐病性の強化を目的として、接木苗が使用されます。スイカは「つる割れ病」という病気に弱いため、病気に強いユウガオやトウガンなどの台木にスイカの穂木を接いで育てるのです。これにより、安定した収量と品質の確保が可能となります。
また、大栄すいかの栽培では、パイプハウスや露地トンネルを利用した「雨よけ栽培」も行われています。これは、雨による病気の発生を防ぎ、高品質なスイカを生産するための技術です。さらに、1株当たりの着果数を2~3果に制限することで、大玉でありながら糖度の高いスイカを育てることができるのです。
大栄すいかが育つ土壌も、その品質を支える重要な要素です。主な産地である北栄町や琴浦町、倉吉市の土壌は、保水性と透水性に優れた肥沃な黒ボク土で形成されており、スイカ栽培に最適な環境が整っているのです。
こうした栽培方法の工夫と、恵まれた自然環境が相まって、大栄すいかは形状や品質のバラつきが少ない、高品質なスイカとして広く知られるようになりました。
大栄すいかの種類と特徴
大栄すいかには、いくつかの特別な品種があります。その一つが「極実西瓜(ごくみすいか)」です。極実西瓜は、スイカの台木にスイカの穂木を接いで栽培されるのが特徴で、皮が薄く、まろやかでマイルドな甘さを持っています。
しかし、栽培が難しく、病気にかかりやすいため、生産量は多くありません。それでも、スイカ本来の味わいを求める消費者から高い支持を得ています。
もう一つの特別な品種が「琴浦がぶりこ」です。がぶりこは、種がほとんどないのが大きな特徴で、その名の通り、ガブリと食べられるスイカとして知られています。
糖度は13~14度と、一般的なスイカよりも1~2度高く、黒皮でありながら中身は真っ赤という見た目のインパクトも相まって、進物用としても人気を集めています。
「琴浦がぶりこ」の魅力
「琴浦がぶりこ」は、種が少ないことに加え、糖度の高さが大きな魅力です。一般的なスイカの糖度が11~12度程度であるのに対し、がぶりこは13~14度と非常に高い数値を誇ります。この高糖度と、種を気にせずに食べられる手軽さが、がぶりこの人気の秘密と言えるでしょう。
また、がぶりこは一玉で約11キロにもなる大玉スイカです。大きさと相まって、その存在感は抜群で、贈答用としても喜ばれています。黒皮でありながら中身は真っ赤という見た目の美しさも、がぶりこの魅力の一つと言えます。
がぶりこが生産されている琴浦町は、鳥取県東部に位置する町です。日本海に面した丘陵地帯を中心に、古くからスイカ栽培が盛んな地域として知られています。特に、がぶりこを含む琴浦スイカは、町を代表する特産品として、県内外から高い評価を受けているのです。
大栄すいかを楽しむ
通販での購入方法
大栄すいかは、楽天やAmazonなどの信頼できる通販サイトから購入することができます。特に、大栄西瓜組合協議会が運営する直売所のオンラインショップでは、厳選された高品質なスイカを購入できます。
購入の際は、糖度やサイズを確認することが重要です。大栄すいかは糖度11度以上、重量3kg以上が出荷基準となっています。特に、特大5Lサイズともなると、重量は10~11kgにもなります。好みの甘さとサイズを選んで購入しましょう。
通販で購入する場合、スイカは収穫後すぐに発送されるため、到着後はすぐに食べ頃です。到着したら、冷蔵庫で1~2時間冷やしてから食べるのがおすすめです。
大栄すいかの美味しい食べ方
大栄すいかは、冷蔵庫で1~2時間冷やしてから食べると、より一層美味しく感じられます。ただし、冷やしすぎるとかえって甘みが損なわれるので注意が必要です。
スイカを切る際は、中心部から包丁を入れることで、甘い部分を均等に分けることができます。また、塩を少しかけて食べるのも美味しいですよ。
スイカの皮を使った料理も楽しめます。例えば、皮の白い部分を細切りにして、酢の物にしたり、みそ煮にしたりするのもおすすめ。また、スイカとミントを使ったサラダは、見た目も涼しげで、暑い夏にぴったりです。
大栄すいかを使ったイベント
北栄町では、大栄すいかを使った様々なイベントが開催されています。
毎年6月には「北栄町すいか・ながいも健康マラソン」が開催され、3kmと10kmのコースが用意されています。参加者には、ゴール後に大栄すいかとながいもとろろ汁の無料サービスがあり、スイカを存分に堪能できます。
また、7月には「大栄西瓜まつり」が開催され、スイカの試食会などが行われます。会場では、名探偵コナンとのコラボレーションイベントも開催され、スイカを片手にコナンと記念撮影ができます。
さらに、北栄町では就農希望者を対象とした「大栄西瓜の収穫・出荷作業体験会」も開催されています。スイカ農家の仕事を体験することで、新規就農者の確保につなげています。
このように、北栄町では大栄すいかを通じて、健康づくりや地域活性化に取り組んでいるのです。
まとめ
鳥取県を代表するブランドスイカ「大栄すいか」は、100年以上の歴史を持ち、その品質の高さと生産者の努力によって全国的に知られるブランドへと成長しました。
肥沃な土壌と寒暖差のある気候に恵まれた産地で、接ぎ木苗を使用した栽培方法や、糖度センサーによる厳格な品質管理が行われています。
大玉でありながら糖度が高く、シャリ感のある食感が特徴で、ドバイへの輸出や地理的表示保護制度への登録など、国内外から高い評価を得ています。また、すいか・ながいも健康マラソンなどのイベントを通じて、地域の活性化にも貢献しています。
大栄すいかは、生産者の情熱と消費者の支持に支えられた、まさに「日本を代表するすいか」と呼ぶにふさわしいブランドなのです。